堂場瞬一「8年」読了!
●あらすじ● オリンピックで華々しい活躍をして注目を浴びたものの、とある事情によりプロ入りを諦め、一線を退いた投手・藤原雄大。8年後、33歳になった藤原は、ニューヨークに新たに誕生したメジャー球団にトライアウトを受け入団。ソウル五輪での活躍を誰もが称賛した中、藤原本人は、その時完璧に打たれた1球のことを忘れることができなかったのだ。あの男ともう一度対戦したい。その気持ちが藤原を熱く突き動かす・・・!
はい、というわけで読了しました!めっちゃ面白かった!堂場さんこれがデビュー作ってすごいな。もう堂場作品の「型」みたいなものがしっかりできている。書かれたのが2000年代初頭で時代的にちょっと前だから、その辺を少し考えながら読む必要があったけど、当時のメジャー選手や、古田、野茂、などが実名で出てきてその辺も作品世界にリアルっぽさが出てて良かった。
いやとにかく主人公の藤原が私はめっちゃ好きやわ。その執念ともいえる情熱、一途な想いがめちゃアツい!プレースタイル含めすごいカッコいい。アスリートとしてすごく魅力的。寡黙だけれど内側には熱い闘志を秘めてるこういうタイプ、好き。わたし元プロ野球選手のYouTubeチャンネルとかも色々見てるんやけど、だいたいの人が、プロのトップレベルで活躍できるのは、良い意味で自己中心的な選手ってことを言ってて、藤原さんはまさにこのタイプ。良い意味で周りの目を気にせず、自分のやりたいこと、自分の理想の状態へと集中できる人。選手として超一流。もし現実にこんな選手がいたら、藤原さんのロングインタビューとかをスポーツ誌で読みたいし、背番号入りのTシャツとかタオルとか、グッズ買っちゃうな!メジャーやから、なかなか現地観戦は難しいやろうけど、BSで中継やってたら見ちゃうな!
藤原さんがプロ入りを諦めた理由、そして8年も経ってからいきなりメジャーに挑戦した理由、というのが家庭の事情で、それがストーリーに奥行きを与えていたと思う。こういうものを背負って、それでもどうしてもメジャーに挑戦したくて行動した藤原さんは究極のエゴイストだと思うけど、そのエゴも含めてなんかめちゃくちゃ惹きつけられるキャラなんよね。。
その他の登場人物では、藤原さんと同時期に入団した、高卒キャッチャーの常盤くんもめちゃいいキャラ。小柄でまるっこくて、でもパワーヒッターという常盤くん、今年オリックスに来てくれた森友哉選手のイメージで読んでた(笑)バッティングはめっちゃ良いのに、過去のあるトラウマから右打者の内角への球が捕球できない・・・ってこれよく入団できたよね?!って藤原さんにも突っ込まれてたけど。その他、とんでもオーナーとか、車いすに乗った監督とか、個性的なキャラも印象に残った。
ストーリーはラスト近くからちょっとバタバタした感じあって、もうちょっとじっくり読みたかったけど、新人賞への応募作品だったそうだから、枚数制限の都合かなぁ。常盤くんのトラウマ克服の過程とか、途中から加入してきたゴンザレスの事とかもっと掘り下げて読みたかった。あと藤原さんも常盤くんも、通訳なしで普通にメジャーでやっていけてるのすごすぎない?というツッコミどころもありましたが(笑)、めちゃくちゃ面白かったです!
堂場さんの野球小説は、高校野球を題材にしたもの以外は、主人公がもうしっかり大人だから、野球を通じた爽やか青春成長物語、なんかではなく、大人の人間ドラマが展開されて、それが読み応えあって私は好きなんだなー、と思いました。この「8年」でも、人間ドラマに割と重きが置かれていて、野球以外のシーンもすごく面白かった。
最後に、Mofa的藤原さん好きシーンを二つ。一つ目は、若手二人とご飯食べに行って、ソファで寝ちゃってるシーン。寝ている藤原さんを見ながら若手二人がこの人はめっちゃ負けず嫌いなんだよとか話すシーン。軽く鼾なんかかいちゃってる藤原さんがカワイイ🥰 もう一つは、シーズン最終戦の試合のシーン。ノーアウト満塁、次打たれたらもう終わり、という緊迫するマウンド上で、胸に手を当てて亡き娘の顔を思い浮かべる藤原。しかし娘の笑顔も、鼓動も、何も感じない。感じるのは圧倒的な孤独感のみ。っていうこのシーンめちゃめちゃ好き!
やばい、藤原さんが好きすぎて感想めっちゃ長くなっちゃった(笑)
というわけで、堂場瞬一さんデビュー作、「8年」の感想でした!
はい、というわけで読了しました!めっちゃ面白かった!堂場さんこれがデビュー作ってすごいな。もう堂場作品の「型」みたいなものがしっかりできている。書かれたのが2000年代初頭で時代的にちょっと前だから、その辺を少し考えながら読む必要があったけど、当時のメジャー選手や、古田、野茂、などが実名で出てきてその辺も作品世界にリアルっぽさが出てて良かった。
いやとにかく主人公の藤原が私はめっちゃ好きやわ。その執念ともいえる情熱、一途な想いがめちゃアツい!プレースタイル含めすごいカッコいい。アスリートとしてすごく魅力的。寡黙だけれど内側には熱い闘志を秘めてるこういうタイプ、好き。わたし元プロ野球選手のYouTubeチャンネルとかも色々見てるんやけど、だいたいの人が、プロのトップレベルで活躍できるのは、良い意味で自己中心的な選手ってことを言ってて、藤原さんはまさにこのタイプ。良い意味で周りの目を気にせず、自分のやりたいこと、自分の理想の状態へと集中できる人。選手として超一流。もし現実にこんな選手がいたら、藤原さんのロングインタビューとかをスポーツ誌で読みたいし、背番号入りのTシャツとかタオルとか、グッズ買っちゃうな!メジャーやから、なかなか現地観戦は難しいやろうけど、BSで中継やってたら見ちゃうな!
藤原さんがプロ入りを諦めた理由、そして8年も経ってからいきなりメジャーに挑戦した理由、というのが家庭の事情で、それがストーリーに奥行きを与えていたと思う。こういうものを背負って、それでもどうしてもメジャーに挑戦したくて行動した藤原さんは究極のエゴイストだと思うけど、そのエゴも含めてなんかめちゃくちゃ惹きつけられるキャラなんよね。。
その他の登場人物では、藤原さんと同時期に入団した、高卒キャッチャーの常盤くんもめちゃいいキャラ。小柄でまるっこくて、でもパワーヒッターという常盤くん、今年オリックスに来てくれた森友哉選手のイメージで読んでた(笑)バッティングはめっちゃ良いのに、過去のあるトラウマから右打者の内角への球が捕球できない・・・ってこれよく入団できたよね?!って藤原さんにも突っ込まれてたけど。その他、とんでもオーナーとか、車いすに乗った監督とか、個性的なキャラも印象に残った。
ストーリーはラスト近くからちょっとバタバタした感じあって、もうちょっとじっくり読みたかったけど、新人賞への応募作品だったそうだから、枚数制限の都合かなぁ。常盤くんのトラウマ克服の過程とか、途中から加入してきたゴンザレスの事とかもっと掘り下げて読みたかった。あと藤原さんも常盤くんも、通訳なしで普通にメジャーでやっていけてるのすごすぎない?というツッコミどころもありましたが(笑)、めちゃくちゃ面白かったです!
堂場さんの野球小説は、高校野球を題材にしたもの以外は、主人公がもうしっかり大人だから、野球を通じた爽やか青春成長物語、なんかではなく、大人の人間ドラマが展開されて、それが読み応えあって私は好きなんだなー、と思いました。この「8年」でも、人間ドラマに割と重きが置かれていて、野球以外のシーンもすごく面白かった。
最後に、Mofa的藤原さん好きシーンを二つ。一つ目は、若手二人とご飯食べに行って、ソファで寝ちゃってるシーン。寝ている藤原さんを見ながら若手二人がこの人はめっちゃ負けず嫌いなんだよとか話すシーン。軽く鼾なんかかいちゃってる藤原さんがカワイイ🥰 もう一つは、シーズン最終戦の試合のシーン。ノーアウト満塁、次打たれたらもう終わり、という緊迫するマウンド上で、胸に手を当てて亡き娘の顔を思い浮かべる藤原。しかし娘の笑顔も、鼓動も、何も感じない。感じるのは圧倒的な孤独感のみ。っていうこのシーンめちゃめちゃ好き!
やばい、藤原さんが好きすぎて感想めっちゃ長くなっちゃった(笑)
というわけで、堂場瞬一さんデビュー作、「8年」の感想でした!